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複数のITパートナーを管理するリスクを探すコツ

writing by MASA *このコラムはiPM naviで配信しています ITプロジェクトで、自社社員だけで構成された体制であれば、PMとしては気が楽です。 しかし、最近のプロジェクトは様々な要因から、自社社員で推進していくのが、難しい状況です。 ・業界全体で人手不足 ・高度なテクニカルスキル ・業務スキルの不足...etc そのため、ITパートナーに参加してもらうケースは多いものです。 この混成チームで、ようやくプロジェクトがスタートできます。 その瞬間から、PMは『複数のITパートナーを管理』するリスクを背負うことになります。

 

監修:えのきのキャリア 2003年に大手コンサルファームにジョイン。 数年間のオープン系システムのインフラエンジニアを経験したのち、プロジェクトマネジメント関連業務へキャリアチェンジ。 以降中小から大規模までさまざまなプロジェクトにおいてPM/PMO業務に従事。 製造業、メディア、金融、官公庁など、業界を問わず経験しており、クライアントの様々な文化に柔軟に対応している。近年ではシステム関連の知識を生かし業務コンサルテイング領域でも活動中。 えのきのコラムを読む...

 

こんにちは、プロコンサルのMASAです。

iPM PREMIUMで運営しているオンラインサロンでは、プロコンサルが企業さまのPMへ個別のレクチャーやプロジェクトの後方支援を行なっています。 その活動を通じて、プロジェクトを成功に導くために活用した大手コンサルファームならではの特別なノウハウやメソッドをコラムにしています。 今回のコラムは、SIerに勤務する29歳のPMの方からのご相談となります。

 

MASAのキャリア 2004年に大手コンサルファームBにジョイン。 大手事業会社をクライアントに持ち、クライアント社内で活用する品質マネジメント基準・開発プロセス基準の策定に従事。また、PMOとしてクライアントのプロジェクト推進及び品質維持に貢献しプロジェクトを成功に導いた。 2016年に大手コンサルファームMにジョイン。

大手エネルギーインフラ会社のガバナンス部門にて、大規模システム開発プロジェクトのマネジメント品質管理に従事。PMOとしてプロジェクト運営における問題点の可視化とプロジェクトマネージャおよび上位層への改善提案によりプロジェクトを成功に導いた。

 

目次


PMからのご相談



■相談者 SIerに勤務する29歳のPM ■相談内容 わたしは、SIerに勤務する29歳です。今回で2回目のプロジェクトマネジメント業務になります。 ①今回のシステム開発は、複数の業務システムを改修するITプロジェクトです。 ②システム開発には、各業務の専門知識が必要となりますが、 ③弊社だけでは、プロジェクト体制が構築できません。 ④そのため、複数のITパートナーに作業を依頼することになりました。 ⑤わたしは複数のITパートナーを管理したことがないため、非常に不安を感じています。 ⑥プロジェクトを開始する前に、リスク管理表を作成したいと考えています。 しかし、複数のITパートナーを管理するリスクを見つける方法を知りません。 ■相談のポイント ①相談者は、複数のITパートナーを管理した経験がない。 ②相談者は、複数のITパートナーがプロジェクトに参加することによる管理リスクがあることを知っている。 ③相談者は、リスクの見つけ方がわからず困っている。


こんな時は、こうしてみれば良いですよ!

このように前提条件を整理しました。 ・各ITパートナーは、担当する作業に対してリスク管理を行なっている。 ・すべての開発ドキュメントが揃っている。 ・各ITパートナーは、担当する作業に対してタスクネットワークを作成している 複数のITパートナーが参加するプロジェクトのリスク管理は、「全体的な視点でリスクを見つけ出す」ことが大事です。 しかし、ITパートナー同士の連携作業で起こるリスク連鎖を考慮しなければならないため、ベテランPMでも難しいものです。 各ITパートナーは、自分の責任範囲内でリスク管理を行いますが、他のITパートナーを含んだリスク管理が手薄になることがあります。 そのため、ITパートナーA社のタスクで問題が起こったときに、ITパートナーB社へ飛び火してプロジェクトが停滞することもあります。 まずは、このことを前提に、この問題をアプローチしていきましょう! *このアプローチはDX時代に適応したリスキリングしているPMの方にも実用的に使えます。 アプローチ1 業務関連図、システム関連図、タスクネットワークを準備する。 アプローチ2 業務関連図を使い、ITパートナー同士が業務連携する範囲を探し、『業務要件』のリスクを推測する。 アプローチ3 システム関連図を使い、ITパートナー同士がシステム連携する範囲を探し、『システム要件』のリスクを推測する。 アプローチ4 他のITパートナーの作業成果を受けてから、後続作業が開始されるタスクを探し、『品質』のリスクを推測する。 また、リスク監査を失念しないようにマイルストーンに設定しておく。 例えば、 ITパートナーA社が、担当する請求業務の要件確定を受けて、ITパートナーB社が入金業務の要件を確定していく。 アプローチ5 タスクネットワークを使い複数のITパートナーが作業を行ったときに、合流するタスクを探し、『タスク』のリスクを推測する。 また、リスク監査を失念しないようにマイルストーンに設定しておく。 アプローチ5

双方でプロジェクトを円滑に進めるための体制を検討する。

👍 今回のアプローチを上手くやるには

今回のアプローチは、そもそもリスク管理表を作れなければなりません。リスク管理表の作り方が分からない方・曖昧な方はこちらのコラムが参考になります↓ *このコラムでは”PMが見落としがちな隠れたリスクTOP20”がダウンロードできます。


 
まとめ

最近のプロジェクトは様々な要因から、自社社員で体制を組むことは不可能に近いものです。 ・業界全体で人手不足 ・高度なテクニカルスキル ・業務スキルの不足...etc このような要因がある以上、複数のITパートナーや一緒に仕事をしたことの無いフリーランスをチームに招集して、マネジメントしていくスキルがPMには求められています。 混成チームは、良いこともあれば悪いこともあります。 PMであれば、悲観的なリスクを計画段階で、想定するといったリスク予見のスキルが必要になってきました。 昭和・平成の時代と違って、PMのスキルも高度なものになってきた気がしています。 今回のコラムのポイントは、混成チームによるリスクを見つけ出す ・ITパートナー同士が業務連携する範囲を探し、『業務要件』のリスクを推測する。 ・システム要件のリスクを推測する。 ・品質のリスクを推測する。 ・リスク監査を失念しないようにマイルストーンに設定する。 これらを、しっかり実施することで混成チームでも、プロジェクトを円滑に実行することができるでしょう。 最後まで、読んでいただき有難う御座いました。

 

わたしのコラムで、あなたのお役に立てれば幸いです。

品質管理・スコープ管理、今回のようなリスクの予見、これらをコラムとして配信していこうと思ってます。

ぜひ今後とも応援を宜しくお願いします。

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