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・初心者PMが陥りやすい失敗例を具体的に挙げ、詳細な解説を追加
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writing by えのき
iPM naviに所属するプロコンサルは数多くの失敗プロジェクトを分析してきました。 失敗プロジェクトには必ず原因があります。 今回はこの3つの原因を分析しました。 あなたのプロジェクト活動のリスク管理表に書き込んでください。 ・品質目標の設定がされていない ・クライアント視点の品質基準ではない ・クライアントと品質目標を合意していない なぜ、プロジェクトが失敗に終わったのか?原因を分析していきます。
1.失敗プロジェクトの実例を紹介
最初に原因を分析する失敗プロジェクトの実例を紹介します。 ▪️プロジェクトのスコープと体制▪️
・クライアントは大手機械メーカー ・クライアントの情報システム部で基幹業務の新規構開発を実施 ・製造管理、仕入管理、顧客管理がシステム化対象 ・中堅SierのA社が開発全般を請け負う ・開発体制は業務チーム、基盤チーム、テストチーム、管理チームで構成 ・プロジェクトマネージャーはA社の佐藤(PM初心者) ▪️進捗状況▪️ 総合テスト工程で問題が起こりました。 当該工程の最終日に、PMはクライアントへテストの終了報告と品質の合否判断を依頼しました。 総合テストは、システム視点での品質を担保する最終確認の工程です。 テストは全て消化して、不具合も修正されたので、クライアントが中心で行うユーザーテストを残すだけです。 ▪️クレーム▪️ クライアントから、全てのテスト項目が、システム視点であるため、我々では品質の合否を判断できない。 我々が判断できるようにテストを再度実施して欲しいとのクレームがあり、プロジェクトマネージャーは解決できませんでした。 ▪️結果▪️ ・クライアント視点の品質基準が分からずプロジェクトが中断。 ・コミュニケーション・コストが30%増加。 このようにプロジェクトが破綻して失敗に終わりました。 プロジェクトマネージャーは、クライアントが品質の合格を出してくれないという問題に気付かずプロジェクトを進めたからです。 **守秘義務により企業名・団体名・個人名等は架空名称となります。

こちらのコラムで「品質基準を作る手順」に関しても触れているので、参考にしてみてください!
2.失敗の原因の分析
原因1:品質目標の設定がされていない システムの品質を担保するのであれば、クライアントと合意した品質目標を達成しなくてはなりません。 プロジェクト計画の段階で、コスト目標、スケジュール目標と併せて品質目標を決めてください。 この問題プロジェクトでは、品質目標は決めておらず、全てのテストを消化するという曖昧な計画でした。 また、プロジェクトマネージャーなら品質目標で、何を決めていくのかを理解しておかなければなりません。 そのためには、計画の段階で、品質目標の重要性と実施すべき作業、責任範囲をクライアントをリードしなが品質目標を決めてください。 原因2:クライアント視点の品質基準ではない この原因も品質マネージメントの対象となります。 このプロジェクトでは、システム範囲だけのテストを実施したことから、クライアントが全く理解できませんでした。 ITプロジェクトに慣れていないクライアントであれば、彼らがイメージできるのは、業務フローをベースに実施されたテストです。 やはり、プロジェクト計画の段階で、クライアントの成熟度を確認した上で、未熟であれば総合テストは、業務フローに沿ったテスト項目を準備しておくことで失敗は避けられたでしょう。 原因3:クライアントと品質目標を合意していない 合意という行為は、コミュニケーションマネージメントに当たります。 この問題プロジェクトでは、開発チームが品質基準を一方的に決めて、クライアントとの相談なしにプロジェクトを進めてしまいました。 本来であれば、品質目標の定義と説明をクライアントに行い合意しておくべきです。 しかし、クライアントが品質目標について、軽視している、理解できない、開発チームに丸投げといったスタンスであれば、品質目標の重要性とクライアントがやるべき作業、クライアントの合格の判断基準を提言しなくてはなりません。

品質目標はプロジェクト目標の中の1つとして定義します。 品質目標の設定の方法がよくわからないという方は、下記コラムを参考にしてみてください。
3.失敗の回避策
この問題プロジェクトは、どのように対処するべきだったでしょうか? 対処策は3つあります。 Ⅰ.システムの品質が担保できていることを説明し納得させる。 Ⅱ.クライアント視点を考慮して、全ての業務範囲のテストを実施する。 Ⅲ.クライアント視点を考慮して、クリティカルな業務範囲のテストを実施する。

4.まとめ
(1)失敗の原因の分析 システムの品質を担保するのであれば、クライアントと合意した品質目標を達成しなくてはなりません。 そのためには、計画の段階で、品質目標の重要性と実施すべき作業、責任範囲をクライアントをリードしなが品質目標を決めてください。 このプロジェクトでは、システム範囲だけのテストを実施したことから、クライアントが全く理解できませんでした。 プロジェクト計画の段階で、クライアントの成熟度を確認した上で、未熟であれば総合テストは、業務フローに沿ったテスト項目を準備しておくことで、失敗は避けられたでしょう。 合意という行為は、コミュニケーションマネージメントに当たります。 クライアントが品質目標について、軽視している、理解できない、開発チームに丸投げといったスタンスであれば、品質目標の重要性とクライアントがやるべき作業、クライアントの合格の判断基準を提言しなくてはなりません。 (2)失敗の回避策 回避策は3つありました。 ①システムの品質が担保できていることを説明し納得させる。 ②クライアント視点を考慮して、全ての業務範囲のテストを実施する。 ③クライアント視点を考慮して、クリティカルな業務範囲のテストを実施する。 (3)この問題プロジェクトから得られた教訓は!! ・プロジェクト計画で、クライアント視点を含んだ品質基準を作成しましょう。 ・総合テストの開始前に、クライアント視点を含んだテストケースを準備して、実施しましょう。 この教訓を皆さんのプロジェクト活動の参考にしてください。

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