【プロジェクト計画書の解説】アジャイル開発におけるプロジェクト計画書の作り方

writing by 林 雄一郎
こんな方へオススメです!
・プロジェクトマネージャーになりたい方
・初めてプロジェクトマネージャーを担当する方
・プロジェクトマネジメントに関する知識やスキルに自信のない方
アジャイル開発は、柔軟性と迅速な対応力が求められるプロジェクトにおいて多く採用されていますが、その特性から従来のウォーターフォール型開発のように詳細なプロジェクト計画書を必須としない場合もあります。
しかし、初心者のプロジェクトマネージャー(PM)や初めてアジャイルを採用するチームにとっては、計画書を作成することでプロジェクトの目的や方向性を明確にし、チーム間での共通理解を深めるメリットがあります。
また、顧客や上層部に対してプロジェクトの概要を説明する際にも有用です。
このレポートは、私のアジャイル開発プロジェクトの実践経験から得た教訓とAIでの分析を交えて作っています。
経理部の業務効率を向上させるDX化を事例に取り上げ、初心者PMでも実践できるプロジェクト計画書の作り方を具体例とともに解説します。
【目次】
Ⅱ アジャイル開発におけるプロジェクト計画書の目次(フォーマット)
Ⅲ アジャイル開発におけるプロジェクト計画書の作り方(解説)
Ⅰ ウォーターフォール型とアジャイル型の違い
プロジェクト計画書を作成する際、ウォーターフォール型とアジャイル型の違いを理解することは重要です。
これにより、プロジェクトの特性に応じて適切な手法を選択でき、成功の可能性を高めることができます。
本記事では、初心者PMが違いを把握しやすいよう、両者の特徴を表形式で整理しました。

Ⅱ アジャイル開発におけるプロジェクト計画書の目次(フォーマット)
以下は、初心者PM向けの計画書フォーマット例です
1. プロジェクト概要
- 目的
- 背景
- 成功指標
2. スコープ
- MVP
- 優先順位
- 制約条件
3. ステークホルダー
- 主要ステークホルダー
- 責任分担
4. タイムライン- スプリント計画
- リリース計画
- 進捗確認の頻度
5. リソース計画
- 人員
- ツール- 予算
6. リスク管理
- リスクの特定
- リスク対応策
7. レビューと改善
- フィードバック収集
- 改善計画
以降では、このフォーマットに沿って各項目を詳しく解説します。
Ⅲ アジャイル開発におけるプロジェクト計画書の作り方(解説)
1. プロジェクト概要
# 記載すべき項目
- 目的 (Why):
プロジェクトを実施する理由と達成したい目標。成果を数値で表現することで、進捗を測定しやすくします。
例えば「処理時間を20%削減」「エラー率を50%削減」といった具体的な目標を設定します。
- 背景 (What):
現在の課題やプロジェクトの必要性を具体的に説明します。
- 成功指標 (How):
プロジェクト成功を測るための具体的かつ定量的な指標を示します。
# 解説
プロジェクトの目的は、チーム全員が共通認識を持てるよう明確かつ簡潔に記載します。
また、背景では現状の問題点を数値や具体例で示し、プロジェクトの意義を説明します。
成功指標は、進捗を客観的に評価するための指標であり、例として「業務処理時間の30%短縮」や「入力ミスゼロ」を挙げます。
# 事例
- 目的:
経理部の請求書処理を効率化し、処理時間を20%削減、手作業による入力ミス率を50%削減する。
- 背景:
月末の請求書処理に平均30時間を費やしており、社員の残業が増加している。
また、手作業での処理ミスが年間50件発生している。
- 成功指標:
請求書処理時間を月末10時間以内に短縮し、処理ミスをゼロにする。
# 初心者PMが間違えやすい事
- 目的が曖昧で抽象的な表現になり、関係者間で認識がずれる。
- 背景を十分に説明せず、プロジェクトの必要性が伝わらない。
- 測定不能な成功指標を設定し、評価基準が不明瞭になる。
2. スコープ
# 記載すべき項目
- MVP (What):
最低限必要な成果物(最小実行可能製品)を示します。
- 優先順位 (How):
タスクや機能の重要度を明確化します。
- 制約条件 (What):
リソースや時間などの制約を示します。
# 解説
スコープでは、プロジェクトの範囲を明確に定義します。
特にアジャイル開発では、MVPを設定することでリソースを効率的に配分できます。
優先順位付けは、プロジェクトをスムーズに進行させるための重要な要素です。
また、制約条件は計画を現実的にするために必須の項目です。
# 事例-
MVP:
請求書データをOCRで読み取り、自動で経理システムに登録する機能を開発する。
- 優先順位:
1. 現行業務プロセスの分析と改善点の特定。
2. OCR機能の導入と経理システムへの連携。
3. スタッフへのトレーニングと運用開始。
- 制約条件:
- 月次決算期間中の大規模システム変更は行わない。
- プロジェクト予算は300万円以内。
# 初心者PMが間違えやすい事
- スコープを広げすぎてリソースが不足する。
- 優先順位を明確にせず、全てを同時に進めようとする。- 制約条件を考慮せず、計画が非現実的になる。
3. ステークホルダー
# 記載すべき項目
- 主要ステークホルダー (Who):
プロジェクトに関わる重要な人物やチームを説明します。
- 責任分担 (Who):
各ステークホルダーの役割と責任範囲を説明します。
# 解説
ステークホルダーはプロジェクトの成功に不可欠な存在です。
主要ステークホルダーを特定し、それぞれの役割と責任を明確に定義することで、作業の効率化と円滑な進行が可能になります。
例えば、経理部が要件定義を担当し、IT部門がシステム導入を担当するなど具体的に記載します。
# 事例
- 主要ステークホルダー:
- 経理部長:プロジェクトの最終承認を行う。
- IT部門リーダー:システムの選定と技術的サポートを担当。
- 外部ベンダー:OCRシステムの導入と技術サポートを提供。
- 責任分担:
- 経理部が要件定義を行い、IT部門が技術実装を進める。
- 外部ベンダーが導入後のトレーニングを担当する。
# 初心者PMが間違えやすい事
- 主要な関係者を特定せず、作業分担が曖昧になる。
- 責任分担が不明確で、作業が遅延する原因となる。
4. タイムライン
# 記載すべき項目
- スプリント計画 (When):
各スプリントの期間と目標を説明します。
- リリース計画 (When):
主要な成果物のリリースタイミングを示します。
- 進捗確認の頻度 (When):
レビューやミーティングのスケジュールを説明します。
# 解説
タイムラインは、プロジェクトの進行を管理するための重要なツールです。各スプリントの計画を立て、短期間での成果を確認することで、プロジェクト全体の進捗を可視化します。
また、デイリースクラムやウィークリーミーティングを設定することで、問題を迅速に解決できます。
# 事例
- スプリント計画:
- スプリント1(2週間):現行業務プロセスの分析と改善点の特定。
- スプリント2(2週間):OCR機能の選定と連携システムの設計。 - スプリント3(2週間):システムの導入とテスト。
- スプリント4(2週間):スタッフトレーニングと運用開始。
- リリース計画:
スプリント3完了時にテスト環境での運用を開始し、スプリント4完了時に本番環境でリリース。
- 進捗確認の頻度:
デイリースクラムを毎朝10分実施、ウィークリーミーティングを金曜午後に設定。
# 初心者PMが間違えやすい事
- 現実的でないスケジュールを設定し、タスクが未完了になる。
- ミーティングの頻度が適切でないため、情報共有が不足する。
5. リソース計画
# 記載すべき項目
- 人員 (Who):
必要なメンバーの役割とスキルを説明します。
- ツール (What):
使用するソフトウェアやハードウェアを示します。
- 予算 (How much):
予算の割り当てと使用計画を示します。
# 解説
リソース計画では、プロジェクトに必要な人員やツール、予算を明確にします。
例えば、経理部から2名、IT部門から1名をアサインし、RPAツールを使用する計画を具体的に記載します。
予算については、初期費用や月額費用などの詳細を示します。
# 事例
- 人員:
経理部から2名(要件定義とテスト担当)、IT部門から1名(システム導入担当)。
- ツール:
OCRツール(例:UiPath)、経理システム(例:SAP)。
- 予算:
初期費用200万円、月額運用費10万円。
# 初心者PMが間違えやすい事
- 人員を過少に見積もり、進捗が遅れる。
- ツール選定が適当で、現場で混乱が生じる。
- 予算を曖昧に設定し、コストオーバーする。
6. リスク管理
# 記載すべき項目
- リスクの特定 (What) :
発生し得るリスクのリストを作成する。
- リスク対応策 (How):
リスクを回避・軽減するための計画を示す。
# 解説
リスク管理では、プロジェクトに影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、事前に対応策を計画します。
例えば、「新システムの障害発生」というリスクに対して、「十分なテストを実施」などの対応策を設定します。
# 事例
- リスクの特定:
- OCRシステムが現行経理システムと互換性がない可能性。
- 導入時にスタッフが新しいシステムに慣れるのに時間がかかる。
- リスク対応策:
- ベンダーに事前確認を依頼し、互換性をテスト。
- トレーニング期間を十分に設けて、スタッフの不安を解消。
# 初心者PMが間違えやすい事
- リスクを過小評価し、対応策が不足する。
- リスク対応策を具体化せず、実行段階で問題が発生する。
7. レビューと改善
# 記載すべき項目
- フィードバック収集 (What):
成果物やプロセスに関する意見の収集方法を示す。
- 改善計画 (How):
次のサイクルに向けた修正案を示す。
# 解説
定期的なレビューを行い、次のスプリントに向けて改善点を洗い出します。
フィードバックを基にプロセスや成果物を調整することで、プロジェクト全体の品質を向上させます。
# 事例
- フィードバック収集:
- 導入後1か月間、経理部から運用状況に関する意見をヒアリング。
- スタッフの操作性に関する問題点を集約。
- 改善計画:
- 操作性に関するフィードバックを基に、ユーザーインターフェースを改善。
-次のスプリントで追加トレーニングを実施。
# 初心者PMが間違えやすい事
- フィードバックを無視し、同じ問題を繰り返す。
- 改善案を具体化せず、形骸化した計画になる。
Ⅳ まとめ:初心者PMが最も間違えやすい3つの計画
経理部の業務効率を向上させるDX化プロジェクトを事例に、アジャイル開発におけるプロジェクト計画書の作り方を解説しました。
計画書を作成することで、プロジェクトの目的や方向性を明確にし、スムーズな進行が期待できます。
初心者PMでもこのフォーマットを活用すれば、チーム全体で成果を最大化し、プロジェクトを成功に導けるでしょう。
初心者PMが最も間違えやすい3つの計画
その1:プロジェクト概要
理由:
プロジェクトの方向性を定める最も重要な部分であり、目的や背景が曖昧だとチーム全体の動きが統一されず、混乱を招く可能性があります。
例:
「請求書処理時間を20%短縮」「入力ミスを50%削減」という明確な数値目標を設定することで、プロジェクトの成功を測定しやすくします。
その2:スコープ
理由:
スコープが明確でないと、プロジェクトの範囲が際限なく広がり、タイムラインやリソースの無駄につながります。
例:
MVP(最低限必要な成果物)を「請求書データの自動登録」と具体的に定義することで、目標達成に集中できます。
その3:タイムライン
理由:
非現実的なスケジュールを立てると、プロジェクトが途中で行き詰まることが多いです。
スプリント計画を適切に設定することで、進捗を管理しやすくなります。
例:
各スプリントを2週間単位で設定し、進捗確認の頻度を週1回とすることで、問題を迅速に発見・解決できます。
これら3つのポイントはプロジェクト全体の基盤となる部分であり、初心者PMにとって特に優先的に注意すべき部分です。
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