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WBSを変更するルールを作るコツ

writing by MASA *このコラムはiPM naviで配信しています プロジェクトは未知を既知に変えていく作業です。 そのため、計画段階でWBSを作ってプロジェクトの準備を行います。 WBSがプロジェクト終了まで変更されないことが理想です。 しかし、そんなことは滅多にありません❗️ プロジェクトではWBSが変更されるのは当たり前と捉えましょう。 しかし、WBSが場当たり的に変更されたり、意味なく頻繁に変わったりするプロジェクトでは、メンバーのモチベーションも低下することもあります。

 

監修:えのきのキャリア 2003年に大手コンサルファームにジョイン。 数年間のオープン系システムのインフラエンジニアを経験したのち、プロジェクトマネジメント関連業務へキャリアチェンジ。 以降中小から大規模までさまざまなプロジェクトにおいてPM/PMO業務に従事。 製造業、メディア、金融、官公庁など、業界を問わず経験しており、クライアントの様々な文化に柔軟に対応している。近年ではシステム関連の知識を生かし業務コンサルテイング領域でも活動中。 えのきのコラムを読む...

 

こんにちは、プロコンサルのMASAです。

iPM PREMIUMで運営しているオンラインサロンでは、プロコンサルが企業さまのPMへ個別のレクチャーやプロジェクトの後方支援を行なっています。 その活動を通じて、プロジェクトを成功に導くために活用した大手コンサルファームならではの特別なノウハウやメソッドをコラムにしています。 今回のコラムは、飲料会社の情シスに勤務する34歳のPMの方からのご相談となります。

 

MASAのキャリア 2004年に大手コンサルファームBにジョイン。 大手事業会社をクライアントに持ち、クライアント社内で活用する品質マネジメント基準・開発プロセス基準の策定に従事。また、PMOとしてクライアントのプロジェクト推進及び品質維持に貢献しプロジェクトを成功に導いた。 2016年に大手コンサルファームMにジョイン。

大手エネルギーインフラ会社のガバナンス部門にて、大規模システム開発プロジェクトのマネジメント品質管理に従事。PMOとしてプロジェクト運営における問題点の可視化とプロジェクトマネージャおよび上位層への改善提案によりプロジェクトを成功に導いた。

 

目次


PMからのご相談

■相談者 飲料会社の情シスに勤務する34歳のPM ■相談内容 わたしは、飲料会社の情シスに勤務する34歳のPMです。PM歴は3年になります。 ①わたしは、「プロジェクトは紆余曲折するため計画通り進めることが難しい」と感じています。 ②そのため、臨機応変に課題や問題に対応するために頻繁なWBS(タスク、スケジュール)の変更はやむを得ないと考えています。 ③そのため、わたしは頻繁にWBSを変更することから、メンバーが迷走してしまうことが多く、信頼関係が崩れています。 ④前回のプロジェクトでは、頻繁なWBSの変更によって人員コストの超過、嫌気が差したメンバーの途中離脱などネガティブな状況に陥りました。 今後、このようなことがないようにマネジメントを行なっていきたいのですが、WBSの変更に際して注意するべき点を教えてくれないでしょうか? ■相談のポイント ①相談者は、頻繁にWBSを変更する。 ②プロジェクトでは、理屈にかなった頻繁なWBSの変更を認める。 ③理屈にかなった頻繁なWBSの変更であれば、メンバーは受け入れる。


このコラムを読む前のおススメ

今回のテーマはWBSに関わることであり、WBSを作成するノウハウが必要です。復習したい方は、こちらのコラムが参考になります↓


こんな時は、こうしてみれば良いですよ!

このように前提条件を整理しました。 ・相談者は、今までのマネジメントが間違っていたと認める。

・プロジェクトでは、理にかなった頻繁なWBSの変更を認める。

・理屈にかなった頻繁なWBSの変更であれば、メンバーは受け入れる。 WBSは、プロジェクト計画工程で作成します。 計画がプロジェクト終了まで変更されないことが理想です。 しかし、プロジェクトは未知を既知に変えていく作業なので、変更を伴うこともあります。 変更が生じることでメンバーのモチベーションも低下することもあります。 そのためには、WBS(タスク、スケジュール、人数割当...etc)の変更に伴うルールを計画段階で策定し周知徹底させることが大事です。 まずは、このことを認識して、この問題をアプローチしていきましょう! *このアプローチはDX時代に適応したリスキリングしているPMの方にも実用的に使えます。 アプローチ1 プロジェクト計画工程で、WBSの変更が起こるパターンを洗い出し、そのパターンに対する承諾・拒否を割り当てる。 検討した内容をお客さまと協議して合意する。

アプローチ2 プロジェクト計画工程で、WBSの変更に伴う新規・変更タスクの作業所用期間、作業工数、必要とされるスキル、割当人数の洗い出し方法と算出方法を準備する。 アプローチ3 プロジェクト計画工程で、WBSの変更に伴う新規・変更タスクが既存タスクへ及ぼすリスクを分析する方法を準備する。 アプローチ4 プロジェクト計画工程で、アプローチ2とアプローチ3をアウトプットとして、プロジェクト計画書に記載する。 アプローチ5 プロジェクト計画書をもとに『WBSの変更ルール』をキックオフの時に説明する。

プロジェクト実行中に参加するメンバーには、プロジェクト着任前に説明する。

 
まとめ

プロジェクトは未知を既知に変えるという、あやふやな作業であり、スムーズにゴールに辿り着くのは難しいものです。 せっかく、計画段階で念入りに計画を立てても、プロジェクトの実行中は外的・内的要因によって、計画を変更せざるを得ません。 その時、WBSの変更は必至です。 PMは、『WBSの変更の可能性がある』というリスクを想定しておき、WBSの変更手続きのルールをプロジェクト計画書に盛り込んでください。 そのためには、プロジェクト計画の段階で、このような準備が必要です。 ・WBSの変更が起こるパターンを洗い出す。 ・WBSの変更に伴う新規や変更タスクの作業所用期間の算出方法を準備する。 ・WBSの変更に伴う新規や変更タスクの作業工数の算出方法を準備する。 ・WBSの変更に伴う新規や変更タスクに必要とされるスキル、割当人数の洗い出し方法を準備する。 ・キックオフで『WBSの変更ルール』を説明する。 これらを、しっかり実施することで、プロジェクトを円滑に実行することができるでしょう。 最後まで、読んでいただき有難う御座いました。

 

わたしのコラムで、あなたのお役に立てれば幸いです。

品質管理・スコープ管理、今回のようなリスク対策、これらをコラムとして配信していこうと思ってます。

ぜひ今後とも応援を宜しくお願いします。

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